【吊って解体】100キロの猪を25キロにする方法
吊って解体できるよう、軽い力で獣を吊りあげられる方法をのせてます
使う道具もコンパクトで軽量、バッグに入れて山に持っていけます
狩猟始めたての人に聞きたい
鹿、重くない?
この前はじめて鹿を仕留めて、一人で捌いたんですけどメッチャ重かったんですよ
本当に重くて!
??「中(内臓)抜いたら重さ半分になるよ」
私「へー!そうなんだ!(*´▽`*)」
いや!ならん!!
全然なりませんでした
せいぜい25%、1/4くらい減ったかな?
元が80㎏だったのが60㎏に減ったくらい
20㎏減は嬉しいけど、それでも60㎏!
しかもグッタリしてるから運びづらいのなんの!
結局、ブルーシート広げて捌いたんだけど捌きづらいし、
なにより、無駄に汚すのが本気で嫌だった
ものすごく、鹿に申し訳なかった
鹿肉の表面はヌメヌメしていて汚れが付きやすい
・解体しづらい
・しゃがみっぱなしは辛い
・汚して削り捨てる部位を減らしたい
・きれいに捌かないと鹿に申し訳ない
そんなわけで「吊って解体しよう!」と決心しました!
登山用品店へGO!(石井スポーツへ!)
なにこれ楽しい!(テンション爆上げ)
「100キロの猪を軽い力で2ⅿくらい吊り上げたいんですけど、どうしたらいいですか?」
無知な私はプライベートでロッククライミングをするという店員さんに丸投げしました
とっても丁寧に考えてくれて、無知な私に懇切丁寧、イチから全部教えてくれました!
本当にありがとうございます!!
そんなわけで買ってきました!
はいドン!
お値段3万4千円!重さ1.8キログラム!
2万くらいに収めたかったけど色々教えてくれたし!致し方ない!
ネットで買えばこれより安いとは思う
ちなみにイノホイさんの「解体用ハンガー」は1万5千円なので、全部で3万4千円は解体設備としてはそんな高くないと思う
むしろ安い、だって超軽いし、コンパクトだし(かっこいいし…)
方法
本題に入ります!
100キロの猪を25キロにする方法!
やり方はこんな感じ↓
かみ砕いて説明します
まず、滑車1個で100キロの猪を持ち上げようとしたら100キロの力で持ち上げないと持ち上がりません
私の体重は70キロなので不可能です
次に支柱と滑車を2個使ってみます
この場合、支柱さんが重さの半分を担ってくれてるので50キロの力で100キロの猪を持ち上げることができます
それでも50キロです
10キロの米袋を5個持ち上げるんです、超重いです
この原理を更に追加したのが今回の提案です
中央上部の赤い輪っかが「支柱さん」の役割をしています
100キロは4分割され、25キロの力で引き上げることができます
25キロなら、まぁ…いけそうじゃないですか?
体力バリバリの人には、こんな提案不要ですよね~
普段から鍛えていない男性とか女性とかにおすすめしたいです
休日に狩猟やって「腰やったら」マジ洒落になりませんからね!
安全第一です!!
道具紹介・解説
ここからは道具の解説に入ります
耐荷重はKNだと分かりづらいので、多少の誤差がありますが㎏で書きます
(耐荷重10KNは約1000kgです)
①スリング(1045円)
耐荷重2200kg、二つ折りにして使うので4400㎏、約4トンに耐えられます
…なに吊るつもりだよっていうね
支柱に1周巻きたいので120㎝を購入
②支点用カラビナ(2420円)
ここは100キロ全部かかるのでしっかりとしたカラビナを購入
耐荷重2500キロ
③ロープ(直径8㎜×25ⅿ)(9075円)
(公式サイト)パイネ PAINE PN_パワーロープ 8mm
たしか耐荷重1400キロくらい
耐荷重的には3㎜でも充分なんだけど、プーリーに使えるロープの太さが7㎜~が多い
そして25キロの力で引っ張る事を考えると太い方が持ちやすいので8㎜にしました
もっと太くても良いけど、その分重くなるので注意が必要
経年劣化による耐久年数は10年
何もしなくても10年経てば交換した方が良いってこと
油がかかったり太陽光にさらせばもっと短くなる
しかし保管を屋内にして狩猟の解体でしか使わなければ10年近く使えるのではないかと考えている
切断は電熱カッターで行ってくれるので先端がほつれる事はない
プーリーは7~11㎜、もしくは13㎜が多い
結び方はリンクを貼っておきます
④滑車(プーリー)+カラビナ(合計2万1600円)
本当は1種類のプーリーで統一したかったんだけど、在庫が無くて3種類になってしまった…
カラビナはオーバル型が良いとのこと
D型だと固定サイドプーリーが変形する可能性がある
ここはコストダウンできる所なので後述の「コストダウン」をぜひチェックしてみて欲しい
左の緊急用プーリーの耐荷重が200キロ×2の400キロなので、こいつが一番弱い
今回のシステムは「4倍力」と言って、25キロで100キロが動かせるという考え方
この滑車の耐荷重が200キロなので
4倍力の800キロが今回のシステムの上限耐荷重ということになります(充分すぎる)
カラビナは耐荷重2500キロ
ちなみに後日、実際に使ってみてダブルプーリーの方がいいなと思った…
でも高いんだよなー!
1個1万5千円とかするからなー!
予算に余裕のある方にはダブルプーリーをおすすめします~
⑤抜け止め用カラビナ(1385円)
これは抜け止めなのでカラビナならなんでも良い
色を分けたかったのでこの色にしました
コストダウン
1万4千円コストダウンできます
予算2万円くらいにできます
まずフランス産ではなく中国産にします
中国産のプーリーに変えるのが最安値だと思いますが、ダブルプーリーを買うことで元より「安く、シンプル」にすることができます
ダブルになったことで重さが90g→180gに増えますが、クライミングするわけではないし、カラビナ減るので問題なし!
③部分
コストダウン前:プーリー4個、カラビナ4個
コストダウン後:ダブルプーリー2個、カラビナ2個
カラビナも1個千円くらいにできます
カラビナをかける所が薄く閉じているのでD型カラビナでも大丈夫!
GM CLIMBING 24kN CE UIAA認証 超軽量 クライミングカラビナ スクリューゲート 登山 レスキュー アウトドア グリーン ブラック レッ
こちらは耐荷重3200キロのダブルプーリー
1個7000円なので2個で1万4000円+カラビナ2000円=1万6千円(6千円ダウン)
GM CLIMBING 32kN ボールベアリング モバイル ラージプーリー シングルシーブ/ダブルシーブ 4カラー CE UIAA認証
こちらは耐荷重4000キロのダブルプーリー
2個で1万円なので+カラビナ2千円=1万2千円(1万円ダウン)
色:2個セット GM CLIMBING 40kN マイクロダブルプーリー ボールベアリング スイングプレート付き CE UIAA認証
ロープなんてホームセンターのやつでおそらく充分
岩にこすれて切れる心配も、落下した人を支える必要も、極寒の地も灼熱の岩山も関係ないですし…
このトラックロープは引張荷重700キロなので十分使えるはず
これを切ってスリング部分を作っても良い
直径9㎜×30mで2000円(7千円ダウン)
SK11 トラックロープ混撚 SKR-K920
とはいえ…あんまりオススメできません…
理由は…
大切な相棒だからです!
中国産に対する不信感ももちろんありますが、オススメしないのは「ネットで購入すること」です
ネットで安い商品を見つけて購入するのはとても賢いと思います!
ただ、
狩猟を通して命を奪い、
命を扱うからには、
自分の目で見て、手で触って確かめて、
「これだ!」という道具を使っていきたいなと
私は思うわけです…
そんな理由で「店頭で実際に確かめた道具」をそろえていって欲しいなと思った次第です!
検証してみた!
お米、約120キロを持ち上げられました!
感動した
本当に持ち上がるんだね~(感心)
①②の部分、スリングと支点用カラビナ
③のエイトノット
中間者結び
小さっ!見えなっ!
④カラビナとプーリー
※回転部分が重ならないよう注意
※ずらした方が良さげ
⑤二重止め結びと抜け防止用カラビナ
山を想定して検証
これが成功したらどこでもキレイに捌けるようになるぜ
動画を見てもらえば写真でわかりづらい部分がわかると思います!
無事、持ち上がりました!
支点から60cm下に獲物の結び目が来るので、それを見越して高い所に④の支点をもってくる必要がある
そんなに太くない木のY部分にかけた
木は摩擦が多いのでクルクル巻いてキュッと縛れば全然外れない
検証は以上です!
最後まで読んで下さってありがとうございました!
獲った鹿のお肉で美味しいジャーキーや生ハム、保湿クリームを作ったりしてます!
良かったらのぞいてみてくださいね!
これから狩猟免許を取ろうという方には鳥獣判別で満点を取ったコツをお教えいたします!