江戸の子育て十カ条:小泉吉永 | 高卒リーマン田舎暮らし

江戸の子育て十カ条:小泉吉永

【なぜ読もうと思ったか】
昔の子育てを知りたかった
昔の人は出来ていて今の人に出来ない理由が知りたい
自分の親、祖父母がめっちゃ頑張れるのがなぜか知りたい

【どんな本か】
子育てが難しい現代を乗り越えるヒントが詰まった本
天保10年(1839年)の「養育往来」という子育ての教科書をまとめた本
江戸時代の子育てがわかる本


【中古】 江戸の子育て十カ条 善悪は四歳から教えなさい / 小泉 吉永 / 柏書房 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】

【メモ】

第一条、子育ての失敗は全て親の責任
・子供を甘やかして育てるのは親の無慈悲
・江戸時代の子育てはほとんど体罰否定論
・骨が固まらないうちに体罰を加えるのは、親が自ら子供に持病の種をまいているようなもの

第二条、まず親の姿勢を正すべし
・親が過去にしてきたことの結果が全て子供にあらわれる
・親が正しくないのに、子を正しくしようとするのは間違い
・最初は親の真似にすぎない事でも、やがては子供の人格そのものになる

第三条、愛情をはき違えるな
・わがままに育てるのはNG
・厳しさの中に慈悲があるのが父親、慈悲の中に厳しさがあるのが母親
・厳しく教えないのは子を愛していないから
・教えても学ばないのは子が親を愛していないから
・学んでも実行しないのも子が親を愛していないから

第四条、早く善悪を教え、特に「悪」を厳しく戒めよ
・子供が持って生まれた素質や家柄よりも、生まれてからの教育が大切
・良い人のそばに置き、良い行動の真似をさせる
・善悪は4~5歳で教える

第五条、子どもには苦労をさせ、わがままを許すな
・厳家の子、厳を知らず
・悪くなる暇もないほど苦労させよ

第六条、礼儀作法をしっかりと教えよ
・2歳になったら毎朝、母が子供を抱きながら両手を合わせて父にお礼(挨拶)をすることを教える。歩くようになったら母にも挨拶することを教える

第七条、子どもの友人や遊びを吟味せよ
・幼児教育の要は「良い人に近付ける」(おそらく物理的に)なので友人選びが重要
・選ぶべきは常の友であり、普段の遊びである
・親三分に乳母七分(現代では幼稚園の先生が重要?)
・凧あげは小さい凧を子供にあげさせることに意味がある、空に向かって気を吐き、風に当たって放熱するのが良い
・子供が破魔弓を持って走り回れば体温が発散し、病気もなく歩行も健やかになる
・凧あげも破魔弓も一時的な遊びなので自由にさせて良い

江戸時代の良い遊びとは子供が健康に育つよう考えられていると感じた

健康のために外で遊び回る

最近の子供にさせたい遊びは知育系が流行っているような気がする

晴耕雨読、晴れたら外で遊び、雨の日は知育系で遊ぶのが良いのだろうか

第八条、教師と親は心を一つにして教育せよ
・子を養って教えないのは父の過ち
・親が先生を敬い、全て先生に任せること
・先生たるもの、入学金の多寡で教育の差別をしてはならない

第九条、学問の目的を見誤るな
・ここでいう学問は儒学を学ぶこと
・学問の目的は「人間としての道を学んで、一家が和合し、家業に出精し、分相応や足ることを知り、奢ったりケチったりせず、家を治める」ため

第十条、子育ては試行錯誤の連続、誠の心で向き合え
・誠意をもって向き合えば、目的にピタリと当てはまらないにしても、大きな見当違いにはならない
・我が身を修めることが家を斉(ととの)える事であり、家々が斉えば国が治まり、世の中が安泰になる
・あらかじめ子育てを学んでから嫁ぐ者はいない、それでも子育てが出来るのは真の愛情を持っているからである

 

※家計の収支バランスを保つようにせよ
 収入の三分の二暮らしを心掛けよ

※資産は先祖の物だから絶対に減らしてはならない

※子育ては家業に継ぐ重要事項である
 13歳ごろから家業を仕込め、金銭教育や性教育にも心得が必要だ

※頼母氏(互助的な金融組合)には極力かかわるな

※金を貸さない恨みは、金を取り立てる時の恨みには及ばない

※倹約は自分のためでなく人のためにする。

※立派な屋敷は単なる心の奢りであり、そういう者ほど人の家を批判するものだ

※酒の効用は色々あるが不利益も多い、とにかく40歳までは酒を飲むな

※信仰とは「今日の自分を正すこと」である。信仰していても災いはふりかかる、だからと言って信仰を無用と思うのは誤りだ

※先祖の願いは一族の和睦であるから、たとえ貧賤でも一族を忌み嫌ってはならない


現代の親は子どもと接する時間も限られ、子どもに模範を示す範囲や機会も限られる一方で、子供を取り巻く状況を正しく理解し、それに対処するために多くの学びが不可欠になっている

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