蛇の食べ方、アオダイショウ
2020年8月20日、我が家の鶏小屋を襲撃中の蛇を捕獲して食べた
まずはひと月前から襲撃を受けていた事の解説をするが、無関心の人は赤字の「蛇捕獲」まで飛ばして下さい
2020年7月初旬に雛が孵ってから毎日録画して生態を観察していたところ、7月10日の録画に蛇が映っていた
蛇襲来後、まだ蛇に気付いていない私が小屋に行くと前の日まで20数個あった卵か19個ほどに減っていることに気付いた
メス鶏に古い卵を食べる習性がある事を知っていた私は「沢山食べたなー」くらいにしか考えていなかった、この時の被害は卵4個ほど
2週間後の夕方、恐れていた事態が起きる
雛が喰われた
7月10日の録画で画面左から蛇が現れたので、その周辺に侵入経路があると考えて塞いだ、これで被害は雛1羽と卵7個になった
蛇の習性を調べた、大人のアオダイショウはマウス1匹で1週間もつらしい
前回の卵4つから2週間後に雛1羽と卵3つなので、よそでも食事をしていると考えればペース的には合っている
10日後、またやられた、今度は早朝、何個か数えてないが卵と雛を1羽
雛は1度丸飲みにされた後、吐き出されたようだ
ペースが速くなってる完全に狙いに来てる、複数犯の可能性も考えられる
とにかく侵入経路を探す、蛇は壁を登るとのことなのでドアの上の隙間を埋めた
トレイルカメラの導入も検討したが変温動物である蛇に反応させるのは難しい、蛇が侵入すれば鶏が動くので鶏に反応させることは可能だが動くたびに反応するのでメモリとバッテリーを大量に消費する、センサーの意味がない
襲撃は真っ暗ではなく薄暗い時間なので、いっそゴープロを買って録画するか?でも値段張るしな…
生き残った雛は1羽、コイツは中々注意深いし俊敏性が高い
親鳥が小屋の中、雛が外にいる状態で私が小屋の入り口付近にいると壁の影に隠れて出てこない、出てきても私を視認すると引っ込んでしまう、手製のアスレチックにも登る事が出来る、体も大きくなっている
コイツなら蛇から逃げ切れるんじゃないかと考えた
蛇 捕獲
2020年8月20日の14時半、小屋の扉を開けると入ってすぐのところに卵を食べて喉の所が丸々とさせている蛇を発見した
鶏はアスレチックの上に避難して静観していたが私は大慌て
とりあえず扉を閉めて家に戻り、長靴と厚手のゴム手袋と枝切ばさみを装備する
小屋の扉を開け、鶏が外に出るのを待って小屋に入り扉を閉める、蛇と1対1
侵入経路を確認するために待つことも考えたが、意外と素早い蛇が外に出た時に手足の震える私は蛇を逃してしまう危険性がある、そうなるとまた被害が広がる可能性がある
という事で殺そうと考えた
捕まえて遠くへ逃がす事も考えたが、ウチの烏骨鶏の雛を2羽殺しておいてそりゃねーよ、小屋に行って雛が消えていた時の感情と飲み込まれて吐き出された雛を見た時の感情がよみがえって、悪いけど実害が出ている以上殺そうと至った
ただ殺して腐敗させたら蛇に申し訳ないし、喰われた雛と卵も浮かばれないだろうから食べることにした
ただ殺すのではなく最大限に有効活用することが命への敬意だと考えている
そんなわけで震えながら枝切ばさみで蛇の喉あたりを挟んで捕獲する、心の中で合掌して剪断しようとハサミを閉じるが刃が曲がって殺せない(食べて知った事だが蛇の骨は非常に太くて強固)
仕方ないので頭を石で潰す
クリっとした綺麗な目をしていた、牙がないので毒蛇ではないと判断した
鱗の模様はこんな感じ
体長は1m20cmくらい
頭を潰しても死んでおらずハサミへの拘束は緩まない、本当に力が強い
1mのアオダイショウは大人の鶏を殺せると聞いた事がある、毒はないが絡みついた蛇の拘束を鶏は解けない、暴れ回って体力を消費し、衰弱と締め付けで殺すらしい
軍鶏とか名古屋コーチンなど野生の残った大型の鶏は蛇やカラスを撃退できるらしいけど小柄な烏骨鶏には荷が重い、事実ウコッケイ3羽vsカラス1羽でカラスに負けてるし
ご近所さんが蛇を食べたことがあると話していたので訪ねるが不在
新鮮なうちに解体を済ませる事が肉を美味しく頂く基本なのでネットで調べて解体を始める
参考にしたのはコチラのサイト
手順は
①頭を落として血抜き
②皮をはぐ
③内臓を取り除く
④洗う
⑤水気を拭きとる
⑥塩をすり込む
⑦干す
必死すぎて捌いてる写真撮ってない!
頭を潰してポタポタ血が垂れていたからか、頭を落としてもほとんど血は出なかった
頸動脈を狙って切る必要はない、何故なら内臓を取り出した後も心臓は動き続けていたからだ、つまり蛇は殺しても中々死なない、非常に生命力にあふれた生き物だ
皮剥ぎは頭を落とした断面付近の腹側に切れ目を入れて力で剥ぐ、肛門でちぎれたけどビビビーっと剥げる
内臓は骨や肉から独立しているのでツルンと簡単に取れる
塩もみで余分な水分と一緒に臭みも出す、ツヤツヤテカテカだ
干してる時間は30分ほどにして水で洗い流してキッチンペーパーで拭き取ってむき身の完成、あんまり干してもしょうがないし、カラスに取られても嫌だし
皮と内臓は柚子の木の下に埋めたけど後々考えたら鶏にあげれば良かったと思う
むき身の周りのブヨブヨした膜は摘まんでちぎって雛にあげた、めっちゃ食ってた
ウナギみたい
さて調理
焼き、酒蒸し、汁物で頂く
骨が非常に硬いのでぶつ切りにする時は包丁をグリグリ押し当ててなるべく関節を狙う、できれば出刃包丁が望ましい、本当に硬い、むき身を引っ張って伸ばすとパキパキ言って関節が広がる気がする
汁物は水、蛇、塩2つまみのみ、灰汁は取る
美味しい、優しい味のお吸い物、鶏ささみの出汁に似た味、汁に溶けだしたのか身の味はほとんどしなかった
焼きは塩のみをグリルで焼く、酒蒸しはホイルで包んで蒲焼のタレをかけて頂く
肉の味は鶏ササミ、美味しい、タレは微妙だった、ササミに蒲焼のタレはかけないわな
焼きは肉の水分が飛んで硬くなっているけど味が凝縮している
蒸しは肉が柔らかい、といっても鶏肉と比べたらまだ少し硬い
焼きの方が硬いけど身の離れが良いし美味しいので私は塩焼きが一番おいしかった
骨の存在が非常に強い
私は細い魚の骨やエビの尻尾を食べる人間で、サンマを食べさせると頭しか残らないが蛇の骨は無理だった
さて、まとめ
美味しかった、蛇食の醍醐味は手で持ってかじり付くこと、雛と卵を食べられたが結果として私と畑に還元出来て良かった
肉を食べ、頭と皮と内臓は畑に埋めて肥料に、骨は乾燥させて砕いて鶏小屋に撒く、これが現時点での最大限の有効活用だ
生きた蛇を握った時に感じた強靭な躍動は一生忘れないだろう
太く硬い骨と筋っぽい少量の筋肉で発生する力は体幹の究極系ではないかと感じた、タコやイカといった骨が少なく肉が多い軟体の力と対照的で、とても参考になった
最近生まれた第一子も筋肉は付いてないのにバネのような強さがあり、閉じた手、縮めた手足は中々開かないし、抱いてる時にぐ~~っと丸まったりのけ反ったりすると危うく手からこぼれそうになる、それでいて首は据わってないんだから困ったもんだ
蛇は美味しいと判明したけど好んで殺生するつもりはないので見かけただけなら放置しようと思う、大人の鶏を絞め殺されたらその時また判断する
知り合いに見てもらったところアオダイショウではないかとのこと
昨年庭で見た綺麗な蛇と今回の蛇はとても似ているので同じ個体かもしれない、アオダイショウは無毒だし大人しい性格なのでうまく棲み分けられると良いんだが
あえて卵を茂みに放っておくことで小屋への接近を防ぐ人もいる、それもありかもしれない
一連の騒動がこの蛇によるものなら今年はもう平気かもしれないが来年以降はまたどうなるか分からない
蛇の侵入経路を探して塞ぐ事、卵の残数に目を配る事、この2つは忘れずに実行しようと思う
これを読んで蛇食に興味持った人、毒蛇には気を付けてね!
マムシもやばいけどヤマカガシもやばい、ヤマカガシの毒牙は奥歯にあるから噛まれ方によっては平気な場合もあるけど、毒によるマウスの半数致死量はマムシの4分の1、つまりマムシの4倍強いとも考えられる(半数致死量とは投与した動物の半数が死ぬ用量)
半数致死量20グラムのマウスに対する半数致死量(LD50/20g mouse)は静脈注射で5.3マイクログラム、(日本産の他種ではセグロウミヘビ1.7 – 2.2マイクログラム、ニホンマムシ19.5 – 23.7マイクログラム、ハブ沖縄島個体34.8マイクログラム・奄美大島個体47.8マイクログラムなど)[10]。
ヤマカガシ Wikipedia
気を付けてね!私も気を付けます!
最後まで読んで下さりありがとうございました!